ユキコさんのインタビュー(前編)

こんにちは! しばみーです。
インタビューの記念すべき1回目は、ユキコさんのインタビューをお送りします。
最初にお断りしておきますと、ユキコさんは私の母親です。

名前:ユキコさん
住所:東京都
年齢:69歳
趣味:読書(エッセイ、警察小説、人情時代小説など)

20歳で最初にした仕事は

 

しばみー

まずは仕事の話をお願いします。これまでどんな仕事をしてきましたか?
最初は出版社。本が好きだったから、出版社に入りたいと思ってね。出版社の入社が決まったときは嬉しかったな。
競争率高いって聞いてたからさあ、受かったときに父が喜んで喜んで。これはすごい親孝行できたなーって思ってさ。それはもう特別嬉しかったね。
子どもが生まれるまでの人生で、最大のトピックだったよね、出版社に入れたっていうのは。

銀座が近かったから、銀ブラもできたし。しょっちゅう行って美味しいもの食べたり、洋服なんかいっぱい買ったしさ。私の青春だね、出版社で働いていたときは。ふふふ。

ユキコさん

しばみー

出版社のなかでどんな仕事をしてきたの?
最初は経理。そろばんと簿記の資格を持っていたら職業安定所(※現在のハローワーク)で「そろばんと簿記の資格はあなたの武器ですよ」って言わてさあ。その頃はパソコンなんてなかったから。

それで経理に入ったわけだけど、経理って地味でさあ、静かで「シーン」ってしてて。
「どうにもこれはストレスがたまるなあ」
「もっとテキパキしててわくわくするような、活気のある職場に行きたい」
って思ったわけ。それで同期の営業の友達に相談したら、「営業に空きがあるから上司に頼んでみなよ」って言われて常務に相談した。ハハハハ!

ユキコさん

しばみー

常務に相談したの!?
そう。経理に課長・部長・常務がいたの。銀行から出向で来ていた常務さんが優しい人だったから、「お話があるんです」って声かけて。

ごちそうしてもらいながら、「営業に空きがあるってきいたんです」って話したら、「わかったじゃあ話してみよう」って。
「でも、これからはこういうことは直属の上司に言うようにね」って釘差された。ハハハハ!
それで営業事務に移れたのよ。

ユキコさん

しばみー

それは何歳のときのこと?
20歳のとき。
営業事務っていうのは、男性社員が書店回ったり取次(※出版取次。出版社と書店の間をつなぐ流通業者のこと)回ったりしているのね。それで電話を取り次いだり、来客のお茶出しをしたりするの。

あと、愛読者係っていうのも担当してたの。昔は書店さんに欲しい本がなかったら、読者の方が出版社に「こういう本が欲しいです」と手紙野中に本の代金分の切手を送ってきてたのね。すると私が包装して送ってあげるわけよ。

ユキコさん

しばみー

そういう係があったんだねー。それで、営業事務は思い通りテキパキわくわく活気のある職場だった?
そうだね。男性たちは外の人と接しているからそんな話を聞いたり、ときには自分も外へ連れて行ってもらって外部の方と接したりもあったし。
男の世界を垣間見れたし。わくわくドキドキの世界だったね。うふふ。

ユキコさん

出産、退職、そして

しばみー

出版社を退職したきっかけは?
お兄ちゃん(※私の兄、長男)を妊娠して。出産間際まで出社してたから。

ユキコさん

しばみー

もし今みたいな時代で、仕事続けられるよっていうんだったら働き続けたかった?
続けたかったねー。
同居していたおばあちゃん(※父の母、ユキコさんの義母)は明治生まれの人間だからさあ、「三つ子の魂百までって言うでしょ、小さい頃は母親が一緒にいて育ててあげないと」っていう考えだったからさ。
その頃でも保育園に子どもを預けて働いている人もいたんだけどね、「保育園なんてとんでもない」と言われたから。

ユキコさん

しばみー

そっかー。
そのあともいろいろやってたよね?
うんパートでね。会計事務所勤めたりとかさ。会計事務所は大変だったんだよー。
納期をたくさん抱えているんだけど、所長と息子さんはいばっててあまり働いてくれなくて。パートがこき使われてさあ。
「時間内でできないなら自分ちに持って帰れ!」
て言うのよ。

仕方ないから、パートの仕事を家に持って帰ってそろばんはじいてると、お父さんが文句言うの。
「パートの仕事を家に持って帰ってくるな」
「仕事で疲れて帰ってきてるのに、家でお母さん(※ユキコさんのこと)がそろばんパチパチしてるとくつろげない」

って言うのよ。

私だって会計事務所の仕事を好きでしてるんじゃなくて、家計の足しにしたり子どもたちの学資のためなのに、こんなこと言われて自分も疲れちゃうし。それで辞めたんだよね。

ユキコさん

しばみー

あと酒造メーカーでも働いてたよね?
よく覚えてるね! ルート補佐の仕事。営業マンもそんなに細かく回れるわけじゃないから、営業マンが回れない小さいお店なんかに「何かご要望はありませんかー」って回る仕事だったの。

でもそういう小さなお店は販促品のお皿が欲しいとかしか言ってこない。そういうことってパートのおばちゃんじゃあ、自由にならないわけじゃない。

それで、会社もルート補佐があんまり役に立たないって気付いたんじゃない? だから、職種そのものがなくなっちゃった。ハハハハ!

試飲会があったり、新製品のワインもらえたり、販促品のお皿もらったりとかすごい面白かったんだけどさ。仕事がなくなっちゃった。

ユキコさん

50代になって社会貢献を考え始めた

しばみー

そのあとはどんな仕事していたかわからないなあ。
駅前のお弁当屋さんに勤めたり、お魚屋さんにも勤めたよ。そこでお友達ができたんだけどさ。
そのあとホームヘルパーやって、特別養護老人ホーム。

40代まではいろんな仕事をやってたんだけど、特別養護老人ホームの正式な契約社員の募集があったから、ちょっと安定したところのほうがいいかな?て思ってさ。
それが51歳か52歳のことかな。特養には59歳まで勤めた。

40代までは子どもの学資だったり生活費のため、家族のためにっていうお金が欲しかったわけ。自分のお友達との交際費、小遣いも欲しかったけど。

だけど、もう50代に入って、「今までは家族のためだったけど、年齢的に50代になったら社会貢献したいなあ」っていう意識が目覚めたわけ。
人のためになる仕事をしたいなあって思って。

ユキコさん

しばみー

そういう思いがあって特別養護老人ホームの求人を探し始めたってこと?
そうそうそう。ほら、将来的にも自分の親も歳をとるし、そういう世界を見るのもいいかなって。
でも一番はこれからはちょっと社会のためにささやかながらもちょっと貢献したいなーって。最後の仕事はそれにしたいなーって思ったの。

ユキコさん

しばみー

そういうことを思うきっかけはあったの?
いやーたまたま。今の家に引っ越してきたときに、地域の講座に無料でヘルパーの3級の資格が取れるていうのがあったの。それを受けながら「これは人のためになっていい仕事だなあ」って思って。
その後はニチイ学館の通信教育で、自分で2級をとったのね。

でせっかく資格を取ったから活かさなきゃと思って、社会貢献というものを考え出して。社会に役立つ仕事をしたいな、それを最後にしようって思ってね。

ユキコさん

しばみー

これまで話を聞いてると、「子どものため」「家族のため」「社会のため」って、自分以外の誰かのために働いているんだなーって思った。それは元々のベースにあるもの? それとも何か社会から要請されたってこと?
そうじゃないのよ。
子どもが小さい頃にセツルメント(※大学生の子ども会のサークル。私や兄が入っていて、大学生のお兄さんお姉さんに遊んでもらっていた)てあったじゃない。そのときに、学生さんたちが子どもの面倒見てくれたじゃない。
それに私びっくり仰天しちゃってさあ。「お金にもならないのにこの人たち」って。

普通、大学生なんて遊びたい盛りじゃない。それなのに無料で子どもたちと遊んでくれるなんて、これは尊いことをしているなあって私感心したの。そういうこともあって、ボランティアみたいなことにちょっと興味を持っていたのね。

でもさあなんとなく、ボランティア的なことっていうのは、こう自己満足ていうかさあ。なにか嫌味ったらしいようなね。「私はそういうボランティアしています」ていうと、なんか「私ってエライでしょ」っていうのが垣間見えるところがあって、なんかそういうの嫌だなあと思ってたわけ。

だからボランティアじゃなくて、ちゃんとした仕事で役に立つっていうことならちょっといいなーって。

ユキコさん

しばみー

こちらから差し出すものがあって、それに見合った対価をいただくっていうこと?
そうそう。そうするとこっちもしっかりしなきゃっていうのもあるし。

ユキコさん

特養で働いて得たもの

 

しばみー

特別養護老人ホームの仕事をしたことで、何か得たものはある?
そうね。自分の親がだんだんと歳をとっていくわけじゃない。それをさあ、先を行ってるわけよ特養の人々は。やがて自分の親もそういう状態になるなっていうのをね、先に見られたよね。

その頃は認知症っていうものの認識があまりなかったからさ。認知症ってのはこういう状態にあるんだなって、その対処の方法を学んだりとか。

お年寄りへの忍耐だとか、優しい気持ちだとかも学んだよね。それから感謝する気持ちだよね
、お年寄りや他の人に対してね。やってやる、じゃなくて「お世話させていただくことで自分がすごく教えられるんですよ」なんて他のスタッフの人に言われてさあ、なるほどねーなんて思ったりさ。

ユキコさん

あとは認知症の人との対処の仕方とか。
面白かったんだよ。若い女のスタッフが、おじいちゃんをお風呂に入れようと着替えさせてあげたり洗ってあげたりするじゃない。
するとさあ、若い子のおっぱいをガバッて触ったりするのよじいちゃんが。ハハハ! そうすると「駄目よ取れちゃうから」って返すの、若い子が。そうするとじいちゃんも「そうかい。取れちゃうのかい」って。

そういう様子を見て、「こうやって笑いに紛らわせればいいのか」って学んだりね。
あとは、認知症のお年寄り二人が話してるんだけど、お互い全然関係ない話をしてたりね。でもお互い満足して、うんうんってうなずきあってね、すごく楽しそうなの。ほのぼのほっこりしちゃったよ。うふふ。

いろいろなことが勉強になるし笑わせてもらったし、お年寄りの可愛らしさだとか、辛い中にも楽しいこととかいろいろ面白さがあったよね、うん。

ユキコさん

しばみー

いろんな職場を経験してきてるけど、特養って結構いい職場だった?
いい職場だった。上司がいい人でね。看護師さんからいじめられたりはあったけど、若い子とか仲間同士はね、すごく良くって。お互い苦労話をしてさあ。

ユキコさん

 

―――ユキコさんのインタビューは後編に続きます。
どうぞ「ユキコさんのインタビュー後編」もお楽しみください♪

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